| 2006年8月10日 広島県教育委員会 委員長 小笠原 道雄 様 議 長 向井 高志
生徒の就学の機会を奪う生徒募集停止及び定員内不合格に関する申し入れ
7月14日の教育委員会会議において、2007年度からの庄原格致高校高野山分校の生徒募集停止が決定されました。しかし、7月3日に突然、校長から生徒・教職員に説明があり、翌週の教育委員会会議で決定するという、当事者の思いや願いを全く聞こうとしない、極めて非民主的な決定の仕方に怒りを禁じ得ません。 「入学者数の減少」が最大の募集停止の理由とされているようですが、高野山分校は中山間地域の高校教育を保障する場として1952年に設置されて以来、多くの卒業生を送り出し、地域の発展と振興に寄与してきています。近年、過疎化や少子化などに伴い、入学者数は減少してきましたが、地域の学校としての役割は今も何ら変わりはありません。現在、高野山分校には25名の生徒が在籍しており、そのほとんどは地元の子どもたちです。生徒数だけ見ると、一つの学校としては少人数かもしれません。しかし、少人数だからこそ一人ひとりの生徒が個性を発揮し、主役になれる学びの場であることも事実です。中学校時代、ほとんど学校に行くことができなかった生徒や、大規模校では学校生活を続けられないと考えて高野山分校へ入学してきた生徒が、毎日休むことなく、生き生きと高校生活を送っています。そして、来年度高野山分校への進学を希望している地元中学校の生徒もいると聞いていますし、これからも高野山分校を必要とする生徒は確実に存在し続けます。 県教育行政を司る教育委員会の責務として、こうした生徒・保護者・地元住民の思いや願いを聴く場を設けるとともに、すべての生徒の就学保障の観点から、高野山分校の生徒募集停止の決定を撤回されるよう強く要請します。 また、広島県では、1994年から1998年までの5年間にわたり、定員内不合格者ゼロを実現していました。これは高校希望者全員入学の視点で、教育行政と現場教職員の双方が努力した結果です。1995年には、「未就学者を出さない」という趣旨で選抜Vも導入されました。 ところが、辰野元教育長の定員内不合格を容認する方針の表明によって、1999年度入試以降、後掲の表のように非常に多くの定員内不合格者を出しています。2006年度入試においても、478名という全国でも類を見ない定員内不合格者を出しており、全日制本校だけで843名分の空き定員を生じさせています。その結果、中学校卒業後の進路未決定者は、1998年度の199人から1999年度には290名と急増し、2005年度も301名と、5年連続で300名を超えるという非常に深刻な状況となっています。 高校準義務化とも言われる今日において、入試で不合格とされる、ましてや定員に空きがありながら不合格とされる仕打ちは、受検生の心を深く傷つけ、生きる意欲をも喪失させることになりかねません。透明・公正・公平性の原則に基づく合否判定を行い、選抜T、選抜U、とりわけ高校進学を希望する生徒に対する就学保障の観点から導入された選抜Vにおいて、定員内不合格者を出すことなく、憲法第26条(教育を受ける権利、教育の義務)及び教育基本法第3条(教育の機会均等)の精神に基づく入学者選抜を実施するよう、県教育委員会として県立高等学校長に対して指導を徹底することを強く要請します。
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