『解放新聞広島県版』2006年12月6日  第1848号



三十余年の積み重ねを確認

          ―第34回アイヌ交流団派遣―

 県連は第34回アイヌ交流団を、11月23日から25日の3日間、北海道に派遣した。

 1973年に小森委員長(現・県連顧問)が初めて北海道・二風谷を訪れ、すでに34回を数える歴史ある交流である。

 今回は、川崎委員長、小森顧問をはじめ、解放同盟から4人、自治労から1人、自主参加が1人の6人が参加した。

 ヤイ・ユーカラの森運営委員長・計良光範さんの案内で、余市町のフゴッペ洞窟を訪問。フゴッペ洞窟は、古代の絵文字が刻まれている洞窟で、アイヌ民族特有の文様が砂岩に刻まれているのが見られる洞窟である。

 この事実を見ても、北海道に古くからアイヌ民族の系譜が見られることが理解できる。

 次に、重要文化財の旧余市運上家を訪問。運上家とは、江戸幕府が、アイヌとの交易の場としたもので、砂金や材木などの特産品の取引をした場所であり、また、ニシン漁で得た権益を監視する場所でもあった。この場所でも、アイヌの人びとが差別待遇を受けた事実を見ることができた。

 24日は、二風谷の萱野民族博物館と、町立二風谷アイヌ文化博物館を訪問。

 いずれも、アイヌ民族に関する資料の収集では多彩なものがあり、歴史・文化が理解できるものであった。

 夕方、大乗寺(打本顕真住職)を訪問。大乗寺では、2003年5月に半地下式の駐車場の壁面に書かれた差別落書きを視察。数10センチ四方の大きさで書かれた落書きは、被差別当事者を震撼させるものである。

 続いて浄土真宗本願寺派・札幌別院を訪問。

別院では、1994年から3度にわたって書かれた差別落書きの保存版を見た。

 落書きそのものも極めて悪質で、攻撃的な内容であるが、書かれた場所が、いずれも内部に詳しい人物以外は、書くことができないと思われる場所に書かれていたことが、不可解である。

 その後、小森県連顧問が、「人間解放と宗教」と題して講演。

 この講演会は、北海道同朋運動推進協議会が主催し、広く呼びかけたもの。

 小森顧問は、浄土真宗本願寺が持つ教義に対する疑問点を中心に講演。広島の同朋三者懇の議論などを紹介しながら話を進めた。

 参加者は、あいにくの天候で、30人程度となったが、「講演で元気をもらった」など、力強い声があった。

 3日目は、白老のアイヌ民族資料館を訪問。民俗舞踊の鑑賞や、資料館の視察などを終え、大きな成果を挙げ交流を終えた。