『解放新聞広島県版』 2008年1月2日 第1903号



◆新年のごあいさつ◆ 経済構造の分析を            

                        川崎卓志・広島県連委員長



 2008年の年明けにあたり、同盟員と読者のみなさまにごあいさつを申しあげます。

小泉、安倍、福田政権の7年間で、日本は世界で最も格差のある国になりました。所得、雇用、教育、福祉など、あらゆる面で格差が拡大し、地域間、企業間、個人間の格差は、もはや個人の努力ではどうしようもない程拡がってしまいました。

勤労者の3分の1は非正規雇用であり、サラリーマンの4人に1人は年収200万円以下、4世帯のうち1世帯は預貯金が全くないという惨状です。

生活保護を受けている人たちは、この5年間で32%も増加しました。その結果、今や、生活保護基準より少ない所得で暮らしている絶対的貧困層の比率、平均所得の50%以下しか所得がない相対的貧困層の比率が、先進国の中で最悪クラスになってしまいました。

昨年9月12日、突如、辞任表明した安倍総理が内閣の重要課題の一つとしていた教育においてさえ、GDPに対する学校教育費の比率は、先進10カ国中最下位です。

今日の日本社会の変容ぶりは、世界の超高級ブランド店が東京につぎつぎとオープンする一方で、満足な食事ができない勤労者や十分な医療が受けられない地方、地域が急増していることをみれば、歴然としています。

なぜ、格差がこれほどまでにひどくなったのか。それは、経済のグローバル化と市場原理、自由競争の名のもとに、強者の論理で弱者切り捨ての政治を推し進め、もっぱら国民に負担の増大を強いることで財政の帳尻を合わせようとしたからです。

政治のあり方を変え、さまざまな制度を土台からつくり直さなければ、格差を是正することはできません。

政治は生活です。どんな立派なことを言い、どんな大きな事業をおこなっても、国民・市民の生活が向上しないのであれば、それは良い政治とは言えません。

また、政治は本来、社会的、経済的に弱い立場の人たちのために存在するものです。高いところに土を盛るような政治、政策を直ちに改めさせなければなりません。

私たちが格差社会を問題とするのは、それが、部落差別の強化と直結しているからです。社会全体に格差が拡がっている中、差別の実態(被差別部落と国民一般との格差)が深刻化していることが明らかになっています。多くの勤労市民の生活と諸権利が押さえつけられる中、「上見て暮らすな、下見て暮らせ」の対象としての被差別部落の低位性が再びつくられようとしています。

私たちは、いま一度、身分と階級の統一的把握の観点にしっかりと立ち、社会を構造的に分析し、闘いを仕組んでいかなければなりません。

本年は、世界人権宣言60周年の意義ある年です。「人権と平和はセット」であるとした宣言の精神を具現化するため、本年も共にがんばりましょう。