2007年10月24日

広島県知事  藤田雄山様

広島県教育長  榎田好一様

                              部落解放・人権政策の確立を求める 
                     県民集会実行委員会
                     委 員 長   川崎卓志

部落解放・人権政策の確立を求める申し入れ

弱肉強食の構造改革によって国民生活の破壊が進行しており、とりわけ被差別部落では暮らしの全般で平均との格差が拡大しています。また、荒廃した社会情勢の中で、呉市における差別紙片の大量ばら撒き、興信所と行政書士等が結託した戸籍謄本等の不正取得、部落地名総鑑の再発覚など、悪質な差別事件が相次いで発生しています。

地対財特法の期限切れを迎えたとき、広島県は、財政上の特別措置が終了しても部落問題の解決が行政の責務であることは不変であり、差別が存在する限り、一般対策を活用して同和行政を推進するという方針を明らかにされました。しかし、この間、差別の現実に即して施策を実施されたという実績は聞き及んでおりません。また、教育委員会は、文部科学省が指示する人権教育さえ取り組もうとせず、長年にわたって積み上げられてきた同和教育の成果をことごとく破壊して、子どもたちの進路を奪っています。

同和対策審議会の答申には、部落問題は人類普遍の原理である自由と平等の権利に係る問題であり、その解決は行政の責務であると明記されています。だからこそ、1996年の地域改善対策協議会意見具申でも「特別対策の終了が同和行政の終了を意味するものではない。今後は一般対策を活用し、従来にも増して積極的に取り組まれるべきである」とされ、広島県も上記のような基本方針を示されたものと考えております。

 つきましては、部落問題をはじめとするあらゆる人権問題の解決に向けて、差別の実態を正しく認識され、次の取り組みを実施されるよう申し入れるものです。


1.人権を基底においた行政運営を進め、部落出身者・女性・子ども・高齢者・障害者・在日外国人など、被差別の位置にある人々の人権を確立する施策を実施されたい。

2.県内の被差別部落の生活実態調査と部落問題に係る県民の意識調査を実施し、その結果を踏まえて、問題解決のために必要な諸施策を実施されたい。

3.インターネット上の差別書き込みや部落の所在地等の流布を防止するための対策を講じるとともに、差別禁止法を制定するよう関係機関への働きかけを行われたい。

4.戸籍謄本等の不正取得を防止するため、県内のすべての市町が窓口における事務処理を改善し、発覚時の本人告知を実施するよう、積極的な働きかけを行われたい。

5.他者の戸籍謄本等の交付には本人等からの委任を条件とすることが、不正を防止する有効な方法です。そこで、戸籍法を再改正するよう、関係機関に強く働きかけられたい。

6.呉市における大量差別紙片事件など、悪質な差別事件が続発している現状を踏まえ、社会意識としての差別観念の変革に有効な啓発を積極的に推進されたい。

7.県行政主催の研修会等で差別事件が惹起した原因とその背景を分析し、部落問題に係る職員の認識を高め、同和行政を推進するための方策を明らかにされたい。

8.部落の子どもの進路を保障すべき教育行政の責任を明らかにし、必要な施策を実施されたい。また、義務教育及び高等学校卒業後の進路の状況を明らかにされたい。

9.必要とするすべての子どもが活用できるよう、日本学生支援機構から県に移管された奨学金の成績条項を撤廃し、広島県高等学校等奨学金の所得基準を緩和されたい。

10.文部科学省が示した「人権教育の指導方法等のあり方」に基づき、学校における教育活動全体を通して部落問題をどのように指導しているのか明らかにされたい。

11.非教育的な書類の作成などで異常な超過勤務を強いている学校の現状を改善し、教職員が子どもと触れ合い、課題に取り組むことができるよう、適切な措置を講じられたい。