府中市は、伊藤吉和という市長になってから、市政が特定の人間に対してのみ行なわれ、彼の行政市政は市民的利益をますます踏みにじっている。
彼の非常識、無軌道はいろいろなパターンとして分析できるが、
1番に取り上げなければならないことは、自己の選挙地盤を培養するために、巧妙に公費を使う手法である。
例示してみると、市立出口保育所を与党市議と関係(親戚筋)の深いスバル幼稚園に園舎を数千万円もかけて事実上、譲渡している。
出口町方面に、栗原町内会長とか、棗田与党市議基盤に、自己の体制を固めようと、いわゆる石州街道と言う口実をつけて、自己の支配力を公費で培養している。
その石州街道の研究費ということで、伊藤は市長に就任して間もなく、数百万円の補助金を栗原や棗田の地元に出している。地元は、その補助金の一部を使って、先進地視察という口実の旅行もしている。
その補助金で大学の先生あたりを呼んで石州街道地域の、今後のありようを研究したという。だが、その研究成果は、メモ程度のもので、市民全体に分かるような記録はない。市長の大判ふるまいというほかはない。
この地域には、すでに遊園地(公園)が西小学校の近所にある。にもかかわらず、すぐ近く(150メートルほど)に石州街道ゆかりの地という市長の地元を煽動する大判ふるまいも加わっている。
上手の手から水が漏るという言葉があるが、もり立てようとする石州街道のすぐ裏側の出口川に行き詰まりの橋を架けた。市長当選(5年前)の第一声で、「府中は行き詰まりの道が多い」とこれまでの歴代市長を批判した。まじめに自分の言ったことに責任を負うという気持はさらにない。
石州街道は、昔、福山藩の番所もあった。そこ等あたりを復元し、上本町と慶照寺道路に交差するところを「閂」と言っている。そこを古風に、まず手がけることが大事である。ところが、前記の行き詰まり橋の欄干が、昔風の装いをまったく考えていない。伊藤吉和という人物が、ものごとの判断基準に、自己の勢力拡大のことしか考えていないことを露呈している具体的事実である。
他にもいろいろとある。学歴詐称のことで、いま訴訟沙汰になっている平田八九郎の地元の郵便局には、市役所の戸籍謄本、身分証明書などの取り扱いを行なうが、それよりもはるかに交通の便の悪い、諸毛の郵便局には、丸山という市会議員が、軽視されているのか、まったく恣意的に、拒絶されつづけている。自分の気に入るものに対しては、行政需要があろうがなかろうが、お構いなしといった独善をやってのける。
とにかく、中央政界に幅を効かしている(?)、謀代議士の「虎の威」をかりて、権力をほしい侭にできると、勘違いをしていることに、府中市民は、気付かなければならない。これから盛んになる憲法論議に具えて、府中市のこの実情を市の内外に知らせる必要があろう。憲法第十六条の「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」ということである。
2番目に言わなければならないことは、公共事業の入札に関する疑惑に満ちた手法である。
伊藤市長の就任早々の事業は、消防署の建築工事であった。福山消防組合に入り、施設の管理は福山市長ということになっているのに、なぜ伊藤市長は、福山市長に許しを請い、府中市側で、これを入札に付したかということである。
疑惑はそればかりではない。市民が驚いたのは、府中市文化会館として、市民の浄財(全額寄付、のちに福祉会館として使用)で北川市長時代に建てられた。この建物の改装工事を、こともあろうに財政調整基金を取りくずして、しかも、建築確認の行政的手続きを完了しないまま、入札をして、業者を選定していた。このとき、ある業者から談合の通報が関係方面にとられた。この通報は不発の結果に終わった。
さらにつづく。堕落した企業との癒着工作を、合法的に実行するための悪知恵だけは自在に、存分に、働かす。さすがに旧建設省の小役人だけのことはある。つまり、建設事業の入札業者の指名に対するカラクリである。例えば、小中一貫校の設計業者の選定についてである。まったく、素人の教育委員会の職員を選定委員にして、それに自分だけが人間関係を持っているような専門家を一人、二人いれて、その選定に客観性を持たせたように演出する。他社をもっては変えがたい業者というイメ−ジを諮問に持たせる。当然、競争入札を省略する。そして、予算一杯、100%の金額で、この業者と契約する。こんな手口である。
小中一貫校の入札については、地元業者を施行能力に因縁をつけて、つまり、入札参加資格のハ−ドルを高くして、これを排除した。そもそも、JV(共同企業体)というものは、大手大企業と地元、中小業者と組むものである。それを脚色し建築、電気、管工事(空調、水道など)の、それぞれ大手同士を組ませ、いずれも地元・府中市関係を排除するという手の混んだやり方をしている。
そればかりではない。ハ−ドルを超えて応札した業者をもう一度技術力とかを、審査して決めるという手の込みようである。いかにも客観性を貫いているように見せかけ、内実は、あらかじめお目当ての業者に工事があてがわれていくように仕掛けているのである。建設業者の大成建設は、あちこちで談合を繰り返す業者としてマスコミをにぎわせてきた。ために、他の公共団体において、6ヵ月程度の指名停止処分を受けていた。それを、僅かに2ヵ月の処分で、府中市は大成建設を入札させている。伊藤市長の口実は、談合をしたということを素直に認めた実積のある会社だから信用できるというのである。疑惑をもたれるような理屈と言わねばならない。
予定価額に対して契約金額は86%程度といわれている。しかし、これは予定価額の方に高い単価を配慮していれば、請負業者の方は、痛みを感じなくても、済むというものである。素人の市議会議員、況や一般市民には分かりようがない。ちなみに、大成建設の契約金額は34億円(消費税込み)程である。言うまでもないことだが、JT跡地の購入費は別である。もう一つ付け加えなければならいことは大成建設が建築後の管理まで責任をもつという。可部高校の新築工事のことである。既存の校舎の解体費も含まれていると聞いている。可部高校は比較的大きい高校であるが、この請負金額は21億9千万円だそうである。予定価額は29億円(76%で落札)。この工事と比較照合してみれば、前記の疑問が解けるかもしれない。
福祉会館の改装工事のときもそうであったが、建築確認を待たずして入札し小中一貫校の場合も、手続きにおける違反があったことも、付記しておきたい。
3番目の問題に移りたい。伊藤市長がなぜ、独立行政機関の教育委員会を無視し教育行政に、嘴をいれるのかということである。これには、この人の名誉欲、加えて傲慢にして、独善的な個性が手伝っているように思われる。あえて言えば「悪賢い」という能力に与っているのである。教育は「国家百年の大計」といはれるだけに、戦時の軍国主義教育のようになったら大変だと言うことを銘記しておかなければならない。
では彼が市教委をないがしろにして独善に走る動機は何かということである。至極簡単なる動機である。差別と選別の教育体制によって、わが子こそは「エリ−ト」にと思っている教育熱心な親たちが、なんとなく教育の現状に対する不満、心配を抱いている。そこを狙って、「普通の教育」という触れ込みをして市民を誤魔化し、教育に熱心な人物だと売り込んだということにある。伊藤市長のやっていることは、教育熱心を装って、莫大な学校建設費を投入し、府中市を財政危機におとしいれる一つの原因を作っているということと、教育の中身が」、非常に危険な状況になりつつあるということである。
府中市は県内でも数年前の「学力テスト」によって、学力の高い街だという評価があった。市長が嘴を入れるようになって、県内でも下位にランクされるようになってしまった。そればかりではない。「不登校」の児童生徒の数が伊藤市長、半田教育長(伊藤任命の県教委のからの出張であった)になって、三年ばかり経つと、早くも「不登校」は三倍に膨れ上がってしまった。伊藤流の研修を強制するために、教職員が子どもと関わる時間が制約されることになったからである。問題は教育熱心な市長を演出するために、財政破綻への危惧をよそに、わざわざJT跡地を、四小学校、一中学校を統合して、そこに莫大な金を投じることとなったのである今回のゴミの有料化は、そのような無計画、放漫な財政運営のツケが市民にまわされたものと見なければならない。教育に嘴を入れる伊藤市長の手法については、後で述べるが、そのやり方は実に巧妙である。既成事実を作っておいて、教育委員会に議決をさせるというやり方である。
それでは、とりあえず、小中一貫校の入札に関わるところを問題にしてみよう。それは、伊藤市長の疑惑にかかわる部分でもあるからだ。小中一貫校の建設費が、高いかどうかということに視点を置いてみよう。此処に比較をする材料がある。皮肉なことに、府中市が入札時に、2ヶ月しか指名停止をしないで、破格の優遇をした大成建設が、他所でどんな入札をしているかということと比べてみよう。
広島県立可部高等学校の新築工事についてである。県の予定価額に対して、落札した金額を率になおしてみると、76%という数字になる。この工事請負金額は前にも記しておいたが約22億円である。これに対して小中一貫校の落札率は86%である。同じ企業が、どうして、このように違うのであろうか。請負金額はこれも前に記しておいたが約34億円である。
これらはいずれも、広島県と府中市のそれぞれの情報公開の手続きをとれば、確認することができる。これからまだまだ、建設省から出向してきた市長の手によって行われている府中市行政のことである。これから続いて伊藤市長の無軌道、横暴放漫財政からおちいる財政破綻の危険性については、全県、全国の参考になると思われるので、次々に明らかにするつもりである。どこの自治体であれ、夕張市のようになってはいけないからである。
ちなみに、府中市は夕張市と同じように、ついに、ゴミの有料化が決定された。
(つづく)
<もどる>| 小森龍邦は語る |