主張被爆地ヒロシマから
     反戦・反基地の闘いを


アメリカ海兵隊岩国基地の隊員4人が、広島市内の女性を集団で強姦するという事件が起きた。乱暴したうえ、現金も奪っている。被害者が警察に被害届を出したことで明らかになった。米兵は、この事件の後にも暴力事件を起こしている。外国の軍隊が駐留するという異常事態が続く限り、いつでも起こりうる人権侵害の極みだ。

 95年9月、海兵隊員3人が小学生の女児を自動車で拉致し暴行した事件、96年10月、海兵隊員が女子高校生をひき逃げし死亡させた事件、02年、海兵隊の少佐による暴行未遂事件など、沖縄で引き起こされた米兵による事件では、多くの場合、起訴前の犯人の身柄は日本側に引き渡されていない。

「日米地位協定」では、公務以外で犯罪を犯した兵士の身柄は、起訴までは米側が拘束するとされている。そのため、多くの犯罪者が本国に帰還し、罪を償わずに生活している。

 95年の事件に対する国民の大きな批判を受けて「運用改善」が合意されたが、米国の判断が優先されることに変わりはない。合意文書には「米側が好意的配慮を行う」と臆面もなく書かれている。そして、条文自体は47年間、まったく改定されていない。

9月29日、史実改ざんの教科書検定に抗議し、11万人の沖縄県民が怒りを込めて「教科書検定意見撤回を求める県民大会」を開いたが、本土のマスコミは軽微にしか扱わなかった。

基地という「暴力装置」は、あらゆる犯罪を「植民地」日本で生産し続けている。兵士の道徳教育や海兵隊の規律改善という小手先の手法で、この暴力装置の機能が変わるはずもない。

10月22日、広島市と広島県は防衛省と外務省に要請書を提出した。ところが、藤田知事は、10月19・20日に広島市内で開催された「日本女性会議2007ひろしま」であいさつした際に「盛り場でうろうろしている未成年もどうかと思う」と発言している。被害者の女性にはまったく非がないにもかかわらず、責任を転嫁して傷つけ、両成敗のようなとらえ方で卑劣な行為を軽視した発言に対して、参加した女性たちから抗議を受けているのだ。

この国の政治家は、被害者・弱者に対して「自己責任」や「義務の怠り」を押し付け、社会的な問題の本質を見えなくする者があまりにも多い。

06年度の思いやり予算は2326億円である。この予算は、地位協定の規定でも日本政府が負担する義務のないものだが、労務費、光熱水費、訓練移転費、施設建設費などとして支出されている。そして、施設建設費の3分の1は、米海軍の空母艦載機を岩国基地へ移駐させるために、滑走路拡張の工事費としてつぎ込まれている。

軍事基地維持のため、膨大な国家予算がどぶへ捨てるように使われる一方、年収300万円以下の低所得世帯が3分の1を占めている国、日本。

岩国市に対して、約35億円の新庁舎建設補助金は米海軍空母艦載機移転の交換条件だと言う政府に、基地被害者を守る姿勢がないことは明らかだ。

「われわれは、微力であっても無力ではない」ことを確信しよう。人権闘争・平和運動に集う仲間の連携こそ、変革の力になる。被爆地ヒロシマで起きた今回の事件に抗議の声を集中するとともに、在日米軍の機能強化を許さない闘いを継続しよう。 

                         (M・Y)