主張 世界と日本と解放運動
自民党はインド洋で米艦に給油をすることが国際関係における最大の正義のように言う。しかし、「対テロ」という戦略をかかげる軍事行動を支援することによって、アフガン・イラクの国民がどれだけ殺されているのかを考えなければならない。
いま、世界中の歯車が狂っている。世界一の軍事力を持っているアメリカが、自分の都合によって国連の決議を盾にとり、都合が悪ければ、自衛のためだと言って、国連の枠を超えた軍事行動を平然とやってのけるからだ。
アメリカの若者もイラクに兵士として派遣されて、4千人ぐらいは死んでいるのではなかろうか。日本のマスコミも、あまり報道をしない。戦死者の数倍の心身障害に悩むものがいることも忘れてはならない。
アメリカは徴兵制度の国でないため、志願した貧乏人の青年たちによって軍隊は編成されている。政府が低所得者層の若者を釣っているのである。軍隊の「階級性」をまざまざと見る思いである。
世界は金融危機に直面している。サブプライムローンの変形した各種債券の商品化によって、世界中がいま翻弄されている。
マネーの自己増殖を図ろうとする資本主義の病弊が、世界をおおっているのである。
開発途上にある国々の国民、民族の生活は、ますます抑圧され、収奪に悩まされている。グローバルな新自由主義に抵抗して、あちらでもこちらでも紛争が起きている。世界はいま、アメリカのもたらす世界戦略体制によって矛盾きわまりないものになっているのである。
日本は、アメリカの新自由主義経済という、新たな大衆収奪の経済政策の後追いをやってきた。
小選挙区制によって、革新勢力は壊滅状態に追い込まれ、働くもののために抵抗する力量をもぎとられてしまった。小選挙区制というのは、テメがよくて、保守二大政党にとどまる。さきに参議院選挙で民主党が第一党になった。そして、それを「ねじれ現象」とマスコミなどは言っている。やや自民党に「ひいき」をした語感をともなう表現である。
ワーキングプアが多数出てきた。年間2百万円以下の所得のものが1千万人を超えてきた。
非正規雇用者は全労働者の3分の1を占めるところまで、彼らがいうところの構造改革は進んだ。
当然のことながら、人びとの心は荒れすさんでくる。凶悪犯罪を日々、マスコミが報じている。治安の悪さは深刻になってきた。
21世紀は、人間の生存を脅かすような状況となってきた。環境破壊のことを考えれば、すぐにわかるであろう。しかし、環境破壊を進めてでも、「金もうけ」に走る人間がいるということである。犯罪が凶悪化するのも、そこに心の荒れた人間が多くなりつつあることを示すものである。
政治的には小選挙区制の導入によって、支配権力の安泰をめざした。社会状況としては、労働運動を分裂と弾圧によって押さえつけ、その基底部分に位置する部落解放運動(人権闘争)を破壊し、身分反対闘争と階級闘争(労働運動)を弱体化に誘導した。
いまの世界と日本と部落解放運動の分析である。